IAIR(国際統合リハビリテーション協会)
国際事業部より

 

ハロー!
IAIR国際事業部 所属の
吉田頌平です。

私のコラムでは、
「海外のリハビリ事情」をテーマに
海外でも療法士として
活躍したいと思っている方、

海外から来られた患者さんとの対応に
困っている方へ
お届けして参ります。

 

【自己紹介】

初めてお会いする方も
いらっしゃると思いますので
簡単に自己紹介をさせていただきます。

私は2012年に
作業療法士免許を取得し、
同年6月にカナダへ留学いたしました。

2012年11月より、
カナダのクリニックへ
1年間勤務したのちに帰国、

その後は急性期〜生活期の方々を対象に
整形外科の病院・クリニックで
働いております。

現在は、
IAIR関東支部で
インストラクターを務める傍で

国際事業部を担当しており、
IAIRの国際化を推進しています。

 

【本日のテーマは?】

本日のテーマは、「解釈」です。

TKA術後と凍結肩のROMexに関して、
なかなか衝撃的な報告がありました…

「CPMによる持続した受動的ROMexは、
TKA術後の膝関節運動の改善に効果がある」
という報告はよく見られていますが、

アメリカPT協会では、単純な術式のTKAには
このROMexには効果はないからやめろ!と
提言しています。

また、凍結肩に対する徒手療法の効果について
オーストラリアPT協会は
「ホームエクササイズや徒手介入での改善があった
エビデンスレベルの高い報告はないため、
徒手介入などは無用である」
と述べています。

ただ、これらの発表の元となっている論文を読み解いてみると
いろんな解釈ができることがわかります。

そこで今回は、
これらの発表の根拠として使用されている
論文の要旨を確認しながら

物事を「解釈する」上で
重要なポイントをお伝えして参ります。

 

【そもそも参照されている論文の内容は?】

アメリカPT協会が発表した
『CPMによる持続した受動的ROMexは
単純な術式のTKAには効果はないからやめろ!』
という提言の根拠はなんでしょう?根拠に用いられている一部論文の結果を要約すると、

『中等度の効果があったとする報告が3件、
効果は低かったとする報告が1件、
とても効果が低かったとする報告が1件あった。
エビデンスレベルがいずれも低く、
CPM使用による効果の優位差を証明することにはつながっていない』

また、オーストラリアPT協会が公表した
凍結肩に対する徒手療法の効果に関する
根拠に用いられている論文の結果を要約すると、

『介入開始から4週間では、徒手介入+エクササイズと他の介入方法に大差はなく、
6週後は徒手介入+エクササイズに中等度の効果があった。
疼痛、関節可動域については、注射と変わりはなかった。しかしながら、
患者のセラピー成功感と外転可動域の明らかな改善は見られた』

『3ヶ月以上にわたって、2方向以上で
30度以上のPassive ROMに制限があるひとに対し、
2週間の介入を行ったところ、注射と徒手介入の効果に差はなかったが
徒手での介入群の方がActiveでの外転ROMと、患者のセラピー成功感が
優位に高かった』

『1年以下の凍結肩を持つ患者に対し、
ステロイド関節内注射のみ、またはPTを併用した場合
12ヶ月間で徐々に改善していく様子が見られた。
一方、生理食塩水の関節内注射を1年続けても、
ステロイド注射・PTを併用した場合とも
効果は変わらなかった』

ただ、いずれも100名以下の小集団での検証であること、
個体差があるためエビデンスレベルは低いとみなされています。

どうでしょう?
解釈する立場を変えるといろんな意見が浮かびそうですよね。

 

【自分の立場を明らかにしよう】

こうした物事の解釈によって
見え方が変わる現象は、普段の生活でも起こり得ます。

例えば、よく生活習慣で悪いものとされることが多い
「SNS」や「テレビゲーム」が及ぼす
健康状態への、影響について。

まずは「SNS」について。
イギリス王立公衆衛生協会(RSPH)が発表した
FacebookやYoutubeなどのSNSの影響に関する報告(7 によれば、

いずれも睡眠への負の影響が強いとされていますが
自己アイデンティティーへの正の影響も強いことが伺えます。

SNSの内容に対する共感が求められる機会が多く、
良くも悪くも、感情的に「安心」できる場として
認識される傾向にあるようです。

では、「テレビゲーム」についてはどうでしょう?

eスポーツという新たなスポーツジャンルが確立され、
プロ制度の導入も検討されているそうです。

これまでダラダラゲームをしていた生活から、
体調管理を徹底したプロゲーマーに変わったとのお話が
本記事で紹介されています。

いろんな形で報道されていますが、
これも捉え方次第ですよね。

「ゲームがきっかけで運動を始めて、規則的な生活になってよかった!」
「せっかく趣味で楽しんで、ストレス発散できてたのに
プレッシャーがかかる状況でゲームをさせられないといけないなんで
絶対に良くない!」

いろんな考え方ができると思います。

重要なのは、視点と視座、視野の違いによって
解釈はいくらでもできることに気付けるかどうかです。

もし、患者さんが居室でスマホのアプリゲームを
ずっとやっていた状況に出くわしたとしましょう。

そのときの解釈の例を1つ取り上げますと…

視点:見るポイント
→(患者さんがスマホでゲームをするのは悪い!)
視野:見る範囲
→(スマホゲームで悪影響が出ている人は他にいるのかな?)
視座:見える範囲
→(そもそもスマホをいじることで、健康に影響するもんなのかな?)

「スマホを使用する」という作業ひとつとっても、
この3つのポイントを変えれば解釈はいくらでも変わります。

出来事に限らず、言葉でのやり取りにおいても
誰かに自分の意見に共感してもらえることは、
感情的に安心しますが
必ずしも相手と「意見が一致している必要はない」
という側面もあることを知っておきましょう。

話の聴き手に回ったときも、
『自分は違う意見を持ってはいるものの、
あなたの言うこともよくわかりますよ』

と、自分の意見と違う部分もあるけれど
あなたの意見も理解できる、と思うと
患者さんとの意見の食い違いを減らすことができます。

臨床場面で考察を深めていくときや
患者さんと意見が合わないと感じたとき、

「『そもそも』、この人が考えていることの前提は、どこから来ているんだろう?」
「『そもそも』、この意見が一致しないとリハビリって進まないんだっけ?」

など、自分の考えに『そもそも』をいれてみると
自分の解釈を見つめ直すことができます。

ぜひ、心の中で試して見てください。

 

【相手の話を聴く難しさ?】


自分の言いたいことを話したくなるのは、人間の常です。

ですが、相手のことを知らないうちに
自分の意見を話し始めると、
あまり聞き入れてもらえないことが多くなってきます。

そのため、まずは相手の話を「傾聴」することが
重要になります。

次に、相手がどんな考えや生活をされてきた方で、
どんな話し方であれば伝わるのかな?
と、自分の言いたいことの肝を抽出し、

相手に伝わるように即座に変換できることが
とても重要になってきます。

逆に、この肝になる部分が抽出できなければ
『自分の言いたいことはなんだったっけ?』
と考え込んでしまうため、
相手の話を上の空で聞くことにもつながっていきます。

そのため、自分の話したいことを
瞬時に短くまとめる力も必要になってきます。

もし、臨床現場で
『目的の振り返り方がわからない…』
『いつの間にか、脱線しちゃう…』
『自分がどんな考えをしているのかが、わからない…』
『患者さんに、肝心なことをいつも聞きそびれてしまう…』
と、思われることがありましたら

相手の話を傾聴すること」と
自分の意見をまとめること
の2つをまず意識してみてはいかがでしょうか?

もし、それでも難しい…と感じられたときは
英会話のエッセンスを取り入れて、
話す練習をしてみませんか?

実は、英語は
「要点をまとめて、簡潔に話すこと」
に特化した言語なので、

自分が何を考えているのかを意識でき、
話の要点をシンプルにまとめながら話したり、
相手の話を聴くことができます。

私自身、カナダで英語で患者さんと話しているときは、
自分自身の態度や考え方を
冷静に観察できていたことを覚えています。

そのエッセンスを
普段の生活場面でも活かせるように
3つのポイントに落とし込んだものが、

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*参照資料

(1)  American Physical Therapy Association.Don’t use continuous passive motion machines for the postoperative management of patients following uncomplicated total knee replacement.Choosing wiserly.2014.Sep.15th.

(2)  The Australian Physiotherapy Association. tests, treatments and procedures physiotherapists and consumers should question.

(3)  Harvey LA, Brosseau L, Herbert RD. Continuous passive motion following total knee arthroplasty in people with arthritis. Cochrane Database Syst Rev. 2014;2:CD004260.

(4)  Carette, S., H. Moffet, et al.. “Intra-articular corticosteroids, supervised physiotherapy, or a combination of the two in the treatment of adhesive capsulitis of the shoulder: a placebo-controlled trial.” Arthritis & Rheumatism 2003;48:829-838.

(5)  Buchbinder R, Youd JM, Green S, et al. Efficacy and cost-effectiveness of physiotherapy following glenohumeral joint distension for adhesive capsulitis: a randomized trial. Arthritis & Rheumatism 2007;57:1027-37.

(6)  Page MJ, Green S, Kramer S, Johnston RV, McBain B, Chau M, Buchbinder R. Manual therapy and exercise for adhesive capsulitis (frozen shoulder), Cochrane Database Syst Rev 2014;8:CD011275.

(7)  Royal society of public health.Social media and young people’s mental health and wellbeing.

(8)  総務省. 第2節 ソーシャルメディアの普及がもたらす変化.平成27年版 政策白書. 第2部 ICTが開く未来社会.

(9)  日本経済新聞. eスポーツ・プロ元年 ゲーマー増加なるか. 2018.5.26.Sat.

 

今後、IAIR国際事業部が発信するコラムでは
海外の療法士や患者さんと
交流できるようになるために

「海外のリハビリ事情」をテーマに
皆様にお届けできればと思います。

リハビリ分野に関わりながら海外へ出てみたい!
と思われている方は、
ぜひ「IAIR国際事業部」をチェックしてください!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

IAIR国際事業部

吉田頌平

 

【P.S.】

【ミニコーナー「本日の英単語」】

旅先でも英語が使えるようになるための
「本日の英単語」コーナー!

まとめチャンネルを作成してます。

こちらから、ぜひご覧ください!

 

》》https://youtu.be/XsfR3TpJhg8

 

 

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