生きている以上、人の体では様々な反応が行われて人の機能を調整しています。

 

これらの仕組みを「恒常性(ホメオスタシス)」と呼びます。

 

恒常性は、神経系、免疫系、内分泌系などの情報伝達によってコントロールされています。

 

 

この情報伝達に欠かせない化学物質をホルモンといいます。

 

 

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◇ホルモンの種類

ホルモンはその構造から、ペプチド、ステロイド、アミノ酸、アミンという4種類に分類されます。

 

それぞれ、視床下部や下垂体や甲状腺や副腎といった内分泌器官で産生されます。

 

 

[ホルモンの定義]
特定の器官(内分泌腺)または細胞で産生され、血中に分泌されて標的器官の細胞へと運ばれ、その細胞に対して微量で生理作用を発揮するもの

 

神経系に比べると、(標的細胞の受容体と結合した後は)ゆっくりと長く機能発揮されるものもあるので、内分泌系は生体の基本的な自律性機能の調節に関わっているものが多いです。

 

ホルモンは血液によって標的器官へと運ばれるため、遠隔の細胞であっても作用することができます。

*血液循環の確保は何よりも重要ですね。

 

 

 

◇ホルモンの原料 コレステロール

副腎皮質や生殖器で産生されるステロイドホルモンの原料となるのは、コレステロールです。

 

血液検査などで悪者扱いされることが多いコレステロールですが、ステロイドホルモンの原料になったり、細胞膜で使われたりと、体には必要な脂質なのです。

 

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コレステロールからは、

コルチゾール(糖質コルチコイド)

プロゲステロン(黄体ホルモン)

アルドステロン(鉱質コルチコイド)

などが作られます。

 

 

その中でも「テストステロン」について見ていきましょう。

 

 

 

◇テストステロン

テストステロンは男性ホルモンと呼ばれ、筋肉増大や骨格の発達に関係します。

 

主に精巣で作られるため、男性ホルモンと呼ばれますが、副腎でもわずかですが作られることから、女性でも分泌されます。

(女性のテストステロン分泌は男性の5〜10%ほどになるそうです)

 

 

メカニズムは不明らしいのですが、そのテストステロンの分泌とインスリン抵抗性は関係があるようです。

 

関連記事:Increasing Insulin Resistance Is Associated with a Decrease in Leydig Cell Testosterone Secretion in Men

 

 

内容を見る限り、なんとも言えない感じではありますが、関係がゼロとも言い切れないということなのでしょう。

 

 

低テストステロンに対してはレジスタンストレーニングが有効らしいのですが、リハビリ現場で介入する多くの高齢者にとってレジスタンストレーニングを指導するのはリスクが高いでしょう。

 

 

そうなると、望ましいのはテストステロンレベルが高い状態で高齢を迎えること、ともいうことができます。

 

 

やはり、運動していることは、運動不足に比べて、多くの恩恵が得られそうです。

 

 

 

◇「コレステロールの数値が高いですね・・・」の裏側

「コレステロールの数値が高いみたいなので、下げる薬を飲んでいます」

と話す中高年の人によく出会います。

 

 

総コレステロール値、中性脂肪値、LDL値が高いと「脂質異常」とされます。

 

数値によって内服治療が開始される場合もありますが、まずは運動指導と食事指導が一般的です。

 

 

「血中コレステロール値が高い」ことと「運動」がどのように影響し合うのかを説明できないと、メニューを選択することが難しくなります。

 

 

なぜ「血中コレステロール濃度が上がる」のでしょう?

 

 

コレステロール値のコントロールは、コレステロール濃度によっても調整されます。

 

コレステロールは、食事摂取で増える量よりも、生体内で合成される量の方が多いことが通常です。

 

血中コレステロール濃度が高い状態になると、肝臓でのコレステロール生成を抑制します。

 

 

本来であれば体内の必要量に合わせてコレステロール生産量は調整されるのに、肝臓で生産され血中に放出されるのはなぜでしょう?

 

 

おそらく、必要な場所にコレステロールが届いていないのでしょう。

 

 

 

◇インスリンの働きと関係が??

 

細胞でのLDL取り込みを阻害するのは、内臓脂肪の増加によるインスリン作用不足(インスリン抵抗性)と言われます。

 

 

インスリン抵抗性が高いと、LDLを細胞に取り込めず、血液中の濃度が上がる。

 

インスリン抵抗性が高くて細胞にLDLが取り込めないと、テストステロンなどの生産ができなくなってしまう。

 

細胞におけるコレステロールの需要は高いまま。

 

 

こんなことが起きているのではないでしょうか?

 

 

 

そう考えると、先ほどの記事も意味がわかります。

 

 

 

脂肪細胞の肥大化や形質転換は、アディポネクチンという「インスリンの働きを助けるホルモン」の分泌を阻害すると言われています。

 

 

 

脂肪細胞の減少と、インスリン抵抗性の改善に関しては運動が有効であるのはいうまでもありません。

 

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ただし、運動しているから、他は何してもいいというわけではありませんので、誤解されないように気をつけてください。

 

 

◇終わりに

リハビリテーションを担当する相手は「何かしら疾患が発症した」後になります。

 

何は無くとも症状の改善、機能の回復、機能の獲得が優先されます。

 

そのための技術、能力がリハビリ指導を担当する者に要求されます。

そういった技術を手に入れたからこそ、「症状に至った理由」に目を向けて、再び失わせることがないように導いていくことが重要なのではないでしょうか?

 

 

体に起きていることを知るには、運動器だけ詳しくても、神経系だけ詳しくても、心理面に詳しくても、不十分です。

 

 

そういった多方面からの情報を統合していくことは、これから重要性を増していくことでしょう。

 

 

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