リハビリのゴール設定は難しい。
from IAIR 渡邉 哲。
リハビリのゴール設定って、
学生の時はもちろんですが、就職してからもとても悩むところだと思います。
ここについて、
一緒に2つのタイプから考えていきましょう。
基本的なリハビリの流れは、
情報収集→問診→検査測定、評価をした上で、目標設定を行い、
その目標を達成するために、リハビリ(治療)を行い、再評価。ですね。
ボク個人の話になりますが、
この中で、評価やリハビリ(治療)も難しいと感じるかもしれませんが、
それよりも、
「目標設定(ゴール設定)」
が最初は、どうしていいか全く分からなかったです。
PTとして、脳血管疾患中心の回復期にいましたので、
文献などや先輩からの助言も得て、
目標は、「移動」に関することが多かったです。
======================
STG(1ヶ月):病棟内歩行T-cane 見守り
LTG(3ヶ月):屋内外歩行T-cane、独歩自立
======================
なんて感じでしょうか。
患者さんや家族からの同意を得て、
病棟内スタッフとも協力し、それぞれの役割、立場から、
患者さんが求める目標、ゴールを設定していきます。
ゴール設定における2つのタイプ。
そもそもの話ですが、
皆さん自身、生活していく中で明確な目標ってありますか?
正直、
・・・無くないですか?笑。
個人的な解釈ではありますが、
明確に、「3ヶ月後に◯◯ができるようになってる!!」
なんて目標を持っている方は、少ないと思います。
と、この話はまた別の機会にたっぷりできればと思いますが、
ゴール設定、目標設定に対して、2つのタイプがあると思うのです。
【目標志向型】と【課題志向型】
の2つです。
例えばですが、
カレーを作ることで考えていきます。
1つめの【目標志向型】というのは、
「よしっ!カレーを作るぞ!」
という明確な思いから、行動が始まります。
今回は、野菜カレーをつくろう。ということにすると、
「今、冷蔵庫にはどんな人参、じゃがいも、豚肉があるわ。
あっ、肝心のカレー粉が無い。。たまねぎも買わないと。」
ということで、スーパーにカレー粉と玉ねぎを買いに行きます。
2つめの【課題志向型】というのは、
冷蔵庫に、人参、じゃがいも、豚肉はあるのは分かっていて、
晩御飯の献立は特に決めず、
スーパーに行ったら、
たまねぎとカレー粉が目に止まり、
「よし、今日はカレーにしましょう」
というように、決まっていくことです。
献立が先、材料が先か。
人には、この2つのタイプがあるんだと思います。
もちろん明確にタイプ分けをすることは必要ないかと思いますが。。
みなさんはどちらのタイプですか?
どっちが良い、悪いということではなく、
タイプとして別れるんじゃないかって話です。
リハビリのゴール設定においての課題。
目標志向型と課題志向型の2つを、
カレーを作るということで、
表現してみましたが、
再度、考えて頂きたいのは、
この両者が買い物をするとしたら、
どちらがよりスピード感があるか。
です。
これ、考えてみると目標志向型の方が、スピード感があると思いませんか?
カレーを作るぞ。足りないのは、玉ねぎとカレー粉。
ということで、スーパーで買い物をする時間と、
人参、じゃがいも、豚肉はあるなぁ〜、
あっ、もやしもある、ほうれん草もある、玉ねぎもある、
あっ、カレー粉もある。とスーパー内をうろうろする時間を考えると、
上の目標志向型の方がより早く買い物は終えられるかと思います。
これを、リハビリに置き換えてみるとどうでしょうか?
今の保険診療内でのリハビリでは、
入院期間(算定期間)が決まっていますね。
脳血管疾患だと、発症してから180日(6ヶ月)、
回復期病棟への入院可能期間は、入院日から180日(高次脳機能障害や医師が認めた場合)、
病院によっては、90日までしか入院を認めません。
なんてところもあるようです。
この
期間が決まっている。
ということを前提に考えるとすると、
まず初めは、ゴールを明確にして、リハビリに取り組んで行くことが重要になります。
だから、目標を立てることが必要になるんですね。
PTとしては、
======================
STG(1ヶ月):病棟内歩行T-cane 見守り
LTG(3ヶ月):屋内外歩行T-cane、独歩自立
======================
など。
そして、さらに定量化することで、
効果判定がしやすくなりますね。
移動だけで言えば、
T-cane歩行に関しても、500mを連続で歩くとかですね。
TUGは20秒以内とかですね。
もちろん、どんな生活につながっているのかってのは常々考えないといけません。
(↑僕は、これがすごく苦手で、機能面ばっかりに執着してしまっていました。反省)
目標があることで、
医療チーム内、患者さん、家族との目標に対しての進み具合を共有できます。
どうやって、ゴールを決めればいいの?
ただ先にも書きましたように、
普段から、目標志向型で生活されている方は、
多くないと思うので、
リハビリの介入による目標志向型を意識するには、
より“具体的な生活のイメージ“が大切です。
もちろん、身体機能レベルだけなく、動作レベル、社会参加レベルでですね。
家ではどんな生活をしているの?
朝起きてから、寝るまでどんな生活?
会社には行くの?休みの日は何してるの?
親戚や家族との関係性はどう?
何か趣味は?好きな食べ物は?嫌いな食べ物は?
買い物はどこでするの?
車は運転する?街乗り?長距離?
病院にいる時から、
常にその人の生活を考えるのが大事です。
それを目標とし、
目の前の課題を解決できるようなサポートをしていくのが、
私たちの役割です。
まさに、ICFです。
(↓ICFを考えるには、この記事もおすすめ)
あの、、、
だからですね、、、
それが大事なのはわかっているんですが、、、
その具体的な生活をイメージする方法ってのをどうやるんですか?
って、声も聞こえて来ているんですが、
これ、明確に答えは一つだと思います。
聴く。
んもう。。。
ごめんなさい。でも本当にそうだと思うんです。
一つ言えるのは、ただ聴けば良いってもんじゃないってことです。
自分自身で考えてみて、
出会って、1〜3日くらいの人に、
自分が今後どうしていきたい、どんな生活をしたい。
なんて、ハッキリ言えますか??
僕だったら、正直には言えないですね。
みなさんだったら、
どういう人にだったら、自分の思いを話せるかなって思いますか?
例えば自分だったら、
話ししてもいいなぁって思う人の要素ってのはどんなところがありますか?
ゴール設定をするに当たっては、
聞き出す側の関わり方によっても、変わってきますからね。
自分自身を磨いていきましょうね。
さて、長くなりましたが、
今回の話をまとめると、
========================
1、ゴール設定をするには、2つのパターンがある。
「目標志向型」と「課題解決型」。
どちらも大事。
2、ゴール設定のためには、「聴く」ことが大事。
3、話をしてもらえるように、自分を磨こう。
========================
です。
これらのバランスを取れた思考、関わりは、
IAIRでは非常に大切にしているところです。
ぜひ、リハビリのゴール設定に活かして頂ければ幸いです。
→【IAIRセミナーページ】
https://iairjapan.jp/calendar
最後まで読んでいただきありがとうございました。
write by 渡邉 哲
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