クリニカルリーズニングのすすめと注意点

統合と解釈は学生・新人セラピストにとって必要不可欠なものです。

 

これまで

統合と解釈の自由度と、

「統合と解釈の捉え方」

https://iairjapan.jp/archives/11865

 

コツについて

「統合と解釈の具体的方法」

https://iairjapan.jp/archives/20858

書いてきました。

コツと言っても簡単じゃない!と思われるかもしれません。そう簡単にメタ認知を意識することはできないからですね。

 

◆ICFについて

近年、ICFの考え方で評価を進めていきましょう、という施設が増えてきました。

 

正式名称はInternational Classification of Functioning,disability and Health。日本語では「国際生活機能分類」と訳されている。人間の生活機能と障害に関する状況を記述することを目的とした分類であり、健康状態、心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子から構成される。心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子には合計1,424の分類項目が示され、一方、健康状態、個人因子には提示された項目はない。
文部科学省HPより抜粋

ICF

WHOがこれを提唱したのには、1424の項目を分類し、統計学的な傾向をより詳細に調査して行く目的があるのであろう、と推測していますが、何れにしても臨床的に非常に価値のあるものになっています。

 

クリニカルリーズニングについて

クリニカルリーズニング

Mark A Jones:マニュアルセラピーに対するクリニカルリーズニングのすべて.協同医書.2004

 

こちらも非常に有名なクリニカルリーズニングの表です。クリニカルリーズニングはセラピスト側だけでなく、患者様側にもフローチャートがあり、なおかつ双方向に矢印が出ているのが特徴です。

双方向に、という点では、ICFも実は双方向に出ていますね。

 

クリニカルリーズニングは以前にあげましたが

クリニカルリーズニングとは,セラピストがクライアントとその家族、および他の医療チームメンバーと共同し、臨床データやクライアントの意志/希望、専門的知識から導き出された判断などを基に、治療の意義、到達目標、治療方針などを構築する過程である
Mezirow J: Transformative dimension of adult learning. Jossey- Bass Publishers, San Francisco, CA, USA, 1991.

 

とされており、また双方向に矢印が出るという点でも、考え方としてとても有効な概念、スキルと考えています。

 

個人因子に注目しよう

ここからさらに掘り下げていきますが、再度文科省の定義を見てみましょう。

正式名称はInternational Classification of Functioning,disability and Health。日本語では「国際生活機能分類」と訳されている。人間の生活機能と障害に関する状況を記述することを目的とした分類であり、健康状態、心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子から構成される。心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子には合計1,424の分類項目が示され、一方、健康状態、個人因子には提示された項目はない。

 

特に注目すべきなのは、個人因子に提示された項目はない、という点です。

 

ここは非常に重要であり、療法士が治療方針を決定するうえで、絶対におさえなくてはならないポイントになります。

よく発生する問題点として、仮説が細分化され、「痛み」や「疾患」にテーマが偏ることが多々ありますが、これが最大のミスとなります。

 

細分化は物事の階層性を見るのには非常に有用ですが、マクロな視点を狭小化させてしまう要因にもなるからです。

https://iairjapan.jp/archives/12249

 

これを避けるためにクリニカルリーズニングではメタ認知を重要視するわけですが、メタ認知をしても起こる問題点があります。

これがクリニカルリーズニングの問題点でもあるのですが、人という生物は、経験したことがない世界を想像すると多くは最初のイメージが優ってしまい、最初のイメージを覆すのがとても苦手な生き物です。

これこそメタ認知でなんとかなるのでは?という問題ですが、メタ認知を繰り返しても繰り返しても、潜在的に存在する「自己否定を避けたい」という基本的欲求に勝つことができないと、本当のメタ認知にはならないからです。

また、クリニカルリーズニング自体も土俵が「病気」で語られることが多く、先ほどのように「痛み」や「疾患」でまとめられてしまうことが多くなってしまいます。これは個人的にクリニカルリーズニングの問題点として捉えています。

 

ICFの個人因子に提示された項目がないのは、国の間や、地方において必ず存在する「違い」に配慮したものでしょう。

しかし、この明記されていない個人因子にこそ、実はとても重要な鍵がある、という話は以前から言っている通りです。

と言って、コラム内では言ってなかったかもしれません、、

 

20世紀型医療体質から抜け出そう

統計学的には、この個人因子に含まれる部分は「バイアス」として除外される傾向があります。ICFで提示されなかったのも、個人的すぎて分類することが困難だったからではないでしょうか。

臨床では少なくとも、個人因子に着目せずに臨床を進めることはできないはずです。しかし、「それがエビデンスがあるのか?」と問われると、答えられない、、こんな経験はありませんか?

 

これがまさに「20世紀型医療体質」と言ってしまっても過言ではないことです。

 

そう聞いてくる方にはこう答えましょう。

先生、ありがとうございます!ICFでいう個人因子の部分ですので、統計学的なエビデンスを出すことは難しいのですが、先生は個人因子についてどのように考察されていらっしゃいますか?

ちなみにWHOも統計学的に分類するのが困難だったようです、、先生、よろしくお願いします!

と。

 

まとめます。

  • クリニカルリーズニングは臨床上非常に有用なツールである
  • ICFの視点で考えるとクリニカルリーズニングの土俵に注意すること
  • 個人因子はエビデンスにならないからこそ、一人一人の違いについてメタ認知しながら評価すること

 

最後にいいお話を。

学生、新人セラピスト向けに、統合と解釈がとてもわかりやすくなるチャートを無料で公開しようと考えています。最終調整の段階なので、お楽しみに!

→→→→→コチラ

の最後の方にDLページがあります!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

会長 森本 義朗

お問い合わせ

国際統合リハビリテーション協会へのお問い合わせフォーム

Sending

Log in with your credentials

or    

Forgot your details?

Create Account