PDCAはリハビリ

臨床共育マネジメントとして様々な話をしてきたが、どうやらより共育しなくてはならない時期に来たようだ。

というのも、これまで上が変わらなければ下はついてこない、管理職が歩み寄らねば組織のリハビリは出来ないと言って来たが、そもそも管理職がどうの、上が、下がという事自体が時代とズレてしまったのだ。

既に世の中は変わった。

変わった事を前提に臨床現場を考えれば、誰もが「マネジメント」する事を自然に出来ずばリハビリが行えない、と言い切っても過言ではないのだ。

もっとも筆者にとっては10年前に行っていた事に戻るだけ……いやいや。「昔言ってたのに聞く耳持たなかったのオマエらだろ!」と言った拗ね方をしても仕方ない。当時、筆者がちゃんと共育できていなかっただけ。

あらためて、マネジメントについて考えていこう。

 

リハビリテーションマネジメントって??

今更のようにリハビリテーションマネジメントなどの言葉が出現して来た。医療の質向上活動なども、2005年当時からようやく一般の療法士が知る言葉になった。

SPDCAやEPDCAなどが最近のリハビリ現場ではよく聞くかもしれない。PDCAサイクル……デミングサイクルとも言う、医療の質改善活動のキモになるフレームだ。

だが、医療現場がようやく入れて、動かし始めた今、世の中はPDCAは時代遅れとなっている。

 

PDCAは医療現場で最高のパフォーマンスを発揮する!

PDCAはリハビリPDCA……計画を立案し(P)、実践し(D)、実践した内容を評価し(C)、再調整し(A)、計画を再考する(P)、歯止めを行いつつ新たな計画を実践する……と、螺旋状に質を向上させていく考え方だ。

管理的な意味合いの強い医事課、薬局、看護部門などでは非常に効果的だし、リハビリ科の業務関連の効率化に最高のパフォーマンスを発揮するものだ。

 

PDCAに足りないモノ

筆者が以前言ったように、リハビリの評価再評価の流れと非常に似ている。そのため、リハビリのサイクルに組み込めば、もっといいリハビリができるのでは?と一見思いがちだ。

だが、先に言ったように「P(計画立案)」と考えてしまうから、おかしなことになる。圧倒的に「目的・目標」が足りていないのだ。

それもそのはず。医療の質向上活動で、改善と管理を実行する部分にスポットをあてたものであり、目的や目標は事前に作成するものだからだ。

筆者がIAIR認定講座受講者に推奨しているセルフマネジメント入門講座(1)で目標設定の後にPDCAの講義をしている理由がそこにある。

しかも、そこが時代遅れになるもう一つの理由でもあるのだ。

 

社会では時代遅れになったPDCA

一般企業……いやこの言い方自体ナンセンスな時代だ。医療業界以外のサービスを提供している企業は、PDCAを回している限り、成長速度が落ちると言われている。

その理由は、目的や目標をトップダウン型で与えられ、受け身のままPDCAを回し始めてしまうからだ。与えられた目的や目標がズレていても、愚直に守ることで、過去は生産性が確かに上がった。だが、情報も距離も限りなくゼロに近いた現代では、全体一致でPDCAを回すことで、時代の変化にどんどん取り残されてしまう現実がある。

精密にPDCAをまわそうとすれば時間がどんどん過ぎていく。トップが出した方向性に合っていたら、現場レベルでどんどんやり方を工夫して変えていく、そんなデザイン思考ができないのだ。

中国企業に日本企業が負け始めた理由はそこにあると言っても過言ではないだろう。

さらに、負けずに経営できている企業はPDCAに固執していない事に気付くだろう。

 

リハビリとPDCAの相性はいいのか?

あらためて、PDCAとリハビリは相性が良いか? 答えは条件付きでYESだ。

先にも言った通り、螺旋構造で質を改善し続けるプロセスが、患者やクライエントの目的や目標の実現に繋がっていく。この流れはこれまでの教育で言うリハビリテーションの流れとほぼ同じだからだ。

問題は条件の部分だ。

 

リハビリとPDCAを繋げる足がかり

先に管理的な側面での強みがあると言ったように、医療者側の管理的な視点に陥りやすい。そもそもPDCAのサイクルを回す以前に、患者やクライエントの希望するゴールを聞き、そう希望するに至った背景を含めた物語りを受け止めなければ意味がない。もちろん数値的な評価などが必要になるので、医療者視点は不可欠だ。

だが一方的に医療者の視点でのゴールを押し付けるのは、最初のボタンを掛け違えるわけだから、後々「これじゃない」となり、どんでん返し……いやちゃぶ台返しが起きてしまう原因となる事を忘れてはいけない。

 

PDCAには出来ないがするべきこと

PDCAは大きな流れに合わせて計画的に進んでいく、言わば特急列車のようなもの。だが、各駅停車のように今を評価するのは別なフレーム任せだ。

PDCAの中に小さなPDCAを入れて回す、という考え方もある。だが先に言ったように、それでは遅れてしまう。今とは今なのだ。自己認識を例にすれば、一瞬とは拍動一回に相当する(有田秀穂著/人間性のニューロサイエンスより)。今の積み重ねがあって未来をつくる。その今をどんな意識で、どのように評価できるかが鍵となる。

 

A-class以上の療法士諸氏へ

A-classを受講中、A-class、S-class受講中の療法士諸氏は、お気づきのことだろう。この今を評価することの意味を。常に今を評価する事を行って来たA-class以上の諸氏であるからこそ、本当の意味で「マネジメント」を行えるのだ。

IAIR認定療法士諸氏に限らずだが、改めてマネジメントの学習をお勧めする。

ただ、気をつけて欲しいのは、Micro Managementではなく、People Managementを学ぶことだ。

が、さすがに長くなって来たので、次回にお話するとしよう。

 

今回のまとめ

  • PDCAはリハビリと相性はいい。
  • だが、主体となる者の目的目標をないがしろにしてはならない。
  • 状況の変化に対し、調整されるまで時間がかかることを押さえておく。
  • PDCAに苦手な今の評価を療法士自身で行なっていくことで補完する。
  • その上で人のマネジメントを学ぶ。

以上となる。

新たな療法士となる足がかりとなれば幸いである。

IAIR副会長齋藤信
IAIR副会長 作業療法士

臨床共育メンター®︎齋藤 信

追伸1 今を評価するたった一つの方法

今を確実に評価していけるようになるカリキュラムがある。

養成校で学びながらも、今の現場で実践できていない、統合と解釈まで進まないと悩んでいるなら、自信をもってお勧めする。

のべ10,000人の療法士が受講した講義の説明はこちら

>>> https://iairjapan.jp/iair-course-info

 

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既にライセンスを取得したIAIR認定療法士諸氏には、マネジメントの「マ」からお伝えするこの教材をお勧めする。

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