From: ILPT主宰 赤羽秀徳
2週間前のコラム、
『 がん・サルコペニア・糖尿病・… 予防法はシンプル!』
で、
“座りっぱなし”の生活による
心身への影響について
お伝えしました。
その後、直接お会いした方、数名の方から
「大変参考になる報告でした」
「早速、あの情報利用しています!」 など
の嬉しいご感想を頂きました。
ありがとうございます!
座りっぱなしにならない方が
心身に良いということを
患者さん、利用者さんに
お伝えするときに、
単に
「時々立ちましょう」
「あまり長く座らないで」
というよりは、
より具体的な数字を元に
その有効性をお伝えできると
納得して頂きやすいと思います。
そこで、今回は、
海外の報告を二つ紹介させていただきます。
◆4時間、6時間、8時間の座位による影響
まずは、オーストラリアの報告から。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州に
在住する45~65歳の男性6万3,000人強を対象に、
慢性疾患の有無、および一日に
座って過ごす時間を調査。
その結果、座っている時間が
1日4時間以下の人は、
毎日4時間以上座って過ごす人に比べて、
癌、糖尿病、心疾患、高血圧などの
慢性疾患を有する率が大幅に低く、
また、1日6時間以上座って過ごす人は、
糖尿病リスクが有意に高かったようです。
座っている時間が長いほど慢性疾患の数も多く、
被験者の運動レベル、年齢、所得、
教育、身長、体重を考慮しても
この結果は変わらなかったとのこと。
著者のRosenkranz氏は、
「座っている時間が長いほど、
慢性疾患リスクが着実に段階的に増大した。
8時間以上座って過ごす群は
明らかにリスクが最も高かった」
「単に運動が十分でないということではなく、
長時間座っていること自体が問題。
それに加えて、
座っている時間が多いほど
運動する時間が少なくなる」と
付け加えております。
…
いかがでしょうか?
◆座位は一日4時間以下が理想
以上の結果からみると
一日の座位時間を何とか
4時間以下にしたいと
考えるかと思います。
私の経験では、不調を訴えて
外来に通院される方の中には、
勤務時間7時間のうち
ほとんどを座って仕事をされる方も、
少なくありませんでした。
最近では、
立って仕事ができるデスクや
立って会議を行う職場も増えてきて
いるようです。
どうしたら、
座りっぱなしにならないか、
座ることによる悪影響をうち消せないか
知りたくなりませんか?
そこで、
次に紹介したい報告があります。
◆1時間ごとに2分の歩行を!
アメリカのユタ大学の研究報告です。
結論は、
1時間に2分余計に歩いて座り過ぎの悪影響が相殺できる
ということです。
「立ちあがる」というような低強度の運動では、
長時間の座り過ぎによるリスクを下げるのに
十分ではないことがわかったようです。
その代わり、
1時間につき「2分間」余計に歩くことが効果的とのこと。
米国では週2.5時間以上の中程度以上の
運動を推奨しているが、80%の人が
それを満たしておらず、
研究チームは、米国の国民健康栄養調査(NHANES)の
参加者3,243名が加速度計で身体活動を
記録したデータを解析し、
参加者は3年間追跡調査され、
その間137名の死亡が確認されたようです。
データ解析の結果、研究チームは、
1時間当たりの座位時間が2分ずつ減少しても
効果はないことを発見。
あるいはその2分間に低強度の運動(立っている)を
してもやはり効果はみられなかったが、
その2分間をウォーキングのような軽い運動に
代えることが死亡リスクを
33%低下させることがわかったという。
研究チームは、たとえ2分間の歩行でも
毎時間すれば、1週間で400kcalの余分な
エネルギーを消費することができるので、
1週間の推奨消費カロリーである600kcalの
かなりの部分を達成できるため
ではないかと報告。
とのことです。
立つだけでは、不十分で、
歩行のような軽い運動が効果的とのこと。
今、関わっている方の活動状態は、
いかがでしょうか?
◆シンプルなことをシステム化
海外の報告を二つ紹介しました。
・一日の座位時間を4時間以下にする
・一時間ごとに2分歩くことで、
座りすぎの悪影響を相殺できる。
・・
・・
具体的に、この情報をどのように
ご自身の生活に取り入れていきますか?
あるいは、
患者さん、利用者さんに
活用していただきますか?
私は、
ILPT腰痛治療セミナーの時に
この情報をお伝えしております。
そうすると、
多くの方が、
休憩時間にすぐ実践されています。
なかなか行動が変わらない方も
いらっしゃるかと思いますが、
やることはシンプルなので、
何とかシステム化していきたいですね。
◆システムの例
やる気になったらやるのではなく、
やってみるとやる気が変わると思います。
例えば、
・駐車場では、建物の入り口から
遠いところに車を止める。
・施設では、トイレから出た後は、
すぐに席に戻らず、ぐるっと施設の中の
適度な距離を一周する
・デスクワーク中に、単にメールを読むなど
パソコンに座っていなくても
いい時は、立って体をほぐしながら読む、
などと勝手に書いてますが、
「立つのが億劫だった方が
・・したら、すごく変わりました!」
「今までの作業の流れを・・して
歩行時間をうまく取り入れたら
こんな変化がありました」など
皆さんがすでに行っている
取り組みがありましたら、
こちらにお寄せいただき、今後
紹介できればと思います。
その報告が、
多くの生活習慣病の予防になり、
そして、
健康寿命の延伸につながると思います。
是非、すべての人々の“ハッピー”のために。
(モチベーションをアップするコミュニケーションのコツは、
こちらでもお伝えしております)
↓
複合的腰痛アプローチ
IAIR Lumber back Pain Technology(ILPT)主宰
赤羽秀徳
*ILPTセミナーやILPTメインコースの予習、復習となるとともに、
【温かなコミュニケーション】のコツなどもお届けしています。
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