From: ILPT主宰 赤羽秀徳
普段、療法士として仕事をしていると
「炎症」がある、という方に
お会いすることは少なくないと思います。
では、
「炎症」と聞いて、
その対処法は?
と聞かれたらすぐにいくつか
思いつくと思います。
が、・・・
それは、多くの場合
<急性炎症>の対処法だと
思います。
今回は、炎症について、
タイトルのように
<慢性炎症>という病態についてみていきましょう。
(正直私も、
以前は知りませんでした。
もっと早く知っていたら・・・)
◆炎症の5大徴候
まずは、復習から。
炎症の5大徴候は?
・・
10秒で5つあげられますか?
1
2
3
4
5
はい。
5つあげられましたか?
・・
・・
・・
・・
・・
念のため確認しましょう。
1.発赤
2.腫脹
3.熱感
4.機能障害
5.
とここでまた、
一つ抜かしてますが、
・・
・・
最後は、
そう、いつも話題になる
5.疼痛
ですね。
**
ご存じのように
炎症は、生体が有害な刺激を受けて
障害されたときにおこる組織の
防衛反応であり、治癒の過程を
促進するものとされていますよね。
◆その対処法は?
では、
炎症があるときの主な対処法を
考えてみましょう。
わかりやすくするために
打撲後の炎症としてみましょう。
すぐに思いつくのは、
・安静
・冷却
・圧迫
・挙上
いわゆる
R I C E
かと思いますが、
その他には、
病態によって、
さまざな薬も利用されるでしょう。
◆二つの炎症
さて、
初めにもお伝えしたように
今回は、慢性炎症のお話しです。
今、確認してきたのは、
急性炎症の場合になります。
「炎症は急性期のもので、
慢性期にはありません」 と
はっきりと
書いてある情報も見かけます。
しかし・・・
炎症には、
加齢関連疾患の基礎病態として
・慢性炎症 がある
ことがわかってきています。
また、
「ぎっくり腰は、
急性炎症の状態なので
冷やしましょう!」
と書かれている情報も見かけますが
温めましょうとかかれている
ガイドラインもあります。
ぎっくり腰は、急性発症はしますが、
必ずしも炎症という病態があるわけでは
ないので、対処法を決めつけるのは、
危険かと思います。
ご注意下さい。
◆慢性炎症 を抑えることのメリット
この<慢性炎症>を抑えることで、
健康寿命の延伸に大きく関与する
・癌
・アルツハイマー病
・2型糖尿病
・動脈硬化 など
の
【予防】
に良い影響を与える
ことが報告されています。
ポイントは、
【予防】
です。
医療費の削減につながりますね。
◆どうやって炎症を抑えるのか?
では、どうやってこの
慢性炎症を抑えるのか!!!?
!!!!
それは、
急性炎症と同じように
・冷却
・安静
など
で、
・・
はなく
その逆
運動、
とくに
【有酸素運動】に効果があると
されています。
え!
炎症に運動??
動かしていいんだ!
動いた方かいいんだ!
と思いませんか?
◆80歳で見ると!
こちらの図をご覧ください。
病気の発症率と活動習慣の
関連を調べた報告です。
<文献1)より引用>
80歳での病気の発症率が
・座りがち+肥満:約90%
・座りがち :約75%
・通常 :約50%
・運動習慣あり :約30%
となっています。
改めて、「活動的な生活」を送ることの大切さ、
座りっぱなしの影響の大きさを
考えさせられる報告かと覆います。
いかがでしょうか?
このデータを誰に見せたいですか?
…
◆情報提供をしていきませんか?
前回もお伝えしましたが、
運動は嫌いという方には、
あまり勧めないほうがよい
という考えもあります。
しかし、
我々医療従事者として
- 相手が専門家になれるくらい
情報提供する
という役割もあるかと思います。
専門家といっても
必要以上に細かな情報は
必要ではないと思いますが、
活動的であることの
- メリット
- デメリット
については、
より多くお伝えできれば
相手の価値判断も変わり、
嫌いだな、嫌だなと思っていた
運動も
「よし、それだったら
やってみよう」
と思えるかもしれませんね。
◆健康寿命の延伸に!
【健康寿命を延ばす】
ことは、多くの人の望みだと思います。
有酸素運動は、
- 鎮痛(疼痛管理)にも (前回の記事)
そして、
慢性炎症を抑え
- 癌
- アルツハイマー病
- 2型糖尿病
- 動脈硬化 などの
予防にも効果がある
という情報を是非
臨床や私生活にご活用頂けらばと思います。
すべての人々の“ハッピー”のために。
複合的腰痛アプローチ
IAIR Lumber back Pain Technology(ILPT)主宰
赤羽秀徳
文献1:
Christoph Handschin and Bruce M. Spiegelman.
The role of exercise and PGC1α in inflammation and chronic disease.
Nature. 2008 Jul 24; 454(7203): 463-469.
追伸1
炎症だから、安静
ぎっくり腰は、炎症があるから安静
このアプローチで救われてない方が多くいるようです。
ILPT腰痛治療セミナーで解決法をお伝えしています。
追伸2
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