From.IAIR 福留良尚

 

 

感覚、知覚、認知という概念を知ったのは、臨床3年目くらいの頃です。

 

それまでは脳卒中患者さんのこれらの問題について、感覚が薄いくらいに考えていました。

 

恥ずかしながら…

 

 

臨床的にも同じ意味合いで使われがちですが、情報の処理過程において明らかに違います。

 

本日は、これらの情報が通る経路と処理する脳の機能についてまとめていきます。

 

 

感覚

 

感覚とは、「一般的には、刺激受容器の活動とそれに続く皮質感覚領までの神経活動に密接に依存していると想定される意識経験」と言われています。ブリタニカ国際大百科事典より

 

これだけ読んでも正直難しい印象ですが、この言葉がしっくり来ます。

 

 

言語化されない情報、非意識

 

 

個々の感覚領域としては、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、圧覚、痛覚、冷覚、温覚、運動感覚、平衡感覚、内部感覚などが区別されます。

 

 

代表的な感覚の伝導路

 

神経の伝導路には、脳へ上行していく感覚神経系と、脳から下降してくる運動神経系に分かれます。

 

前回のコラムでは下降性の伝導路についてお伝えしました。

 

前脊髄視床路

 

粗雑な触覚と圧覚に関与する経路。

 

 

外側脊髄視床路

 

痛覚・温度覚に関与する経路で、前脊髄視床路と併せて視床へと情報を伝える。

 

 

脊髄小脳路

 

意識されない深部感覚に関与します。

 

筋肉、腱、靱帯、関節包の状態、収縮や伸展の状態といった意識されない情報を小脳に伝える経路で、姿勢や運動の調節に関係しているといわれています。

 

 

後索路

 

触覚の一部(粗大な触覚)・振動覚などの深部感覚を視床に伝える経路。

 

 

脊髄網様体路

 

触覚、痛覚、温度覚などの情報を脳幹網様体に伝え、意識水準の維持・調節,姿勢の維持や歩行など自動運動の調節、あるいは怒りや恐れなど情動行動の誘発に関与します。この経路は自律神経系の活動に大きく影響を及ぼします。

 

 

感覚受容器からの情報はほぼ全て視床に至り、届いた情報は、その後、大脳皮質の体性感覚野に到達します。

 

ここまでの情報伝達が、いわゆる感覚という部分です。

 

 

知覚

 

知覚とは、同じ種類の感覚について、その強さや質の区別、時間的経過などを弁別することと言われています。

 

その刺激情報に意味付けをするのがこの知覚です。

 

 

この情報処理は、体性感覚野に届いた情報が、大脳皮質連合野と言われる部分で質、量、時間などの弁別を行うといわれています。

 

非意識と意識の境目で、より鮮明な情報として捉えることを指します。

 

 

認知

 

そして、最終段階である認知です。

 

認知とは、いくつかの知覚を統合して知覚化されたものがどのようなものであるかを弁別する働きのことで、過去の経験、概念、記憶などを頼りに判断・弁別する高次な作用です。

 

つまり、自分の言葉に出来るか、その情報をもとに行動計画を立てられるかの段階です。

 

 

完全に意識に上った状態を指します。

 

 

 

脳卒中患者さんへの応用

 

この3つの段階のどの情報処理過程に問題があるかを考えなければなりません。

 

例えば、感覚。

 

この問題は何も脳の体性感覚野の問題で異常が起こるわけではありません。

 

 

末梢の感覚受容器の異常。

 

麻痺によって活動が乏しくなった筋は、感覚受容器である筋紡錘を活性化させることが出来なくなります。

 

筋肉の収縮に反応する受容器ですので。

 

 

また、不動による関節の硬さは、関節包の感覚受容器を不活化します。

 

体が硬いということは、それだけで感覚異常が起こるということです。

 

 

そして、知覚異常。

 

視床に異常が生じた場合、脳の感覚領域への情報が届かなくなります。

 

視床のどの部分に異常があるのか、どの感覚なら上行することが出来るのか。

 

画像から分かる情報がここではあるはずです。

 

 

最後の認知。

 

私達は普段、意識していない情報がたくさんあります。

 

座面の圧感覚を意識することはありますか?

 

ほとんどないでしょう。

 

多くの毎日繰り返される動作において、有意識で行動していることはありません。

 

 

ここに活路があります。

 

 

これまで意識していなかった体性感覚情報を、私たちは言語にして脳卒中患者さんに伝えることが出来ます。

 

「お尻の圧を感じてみましょう。どちらが感じやすいですか?その時体の状態はどうですか?どこに力が入りますか?どちらに傾いていますか?」

 

今まで無意識で行ってきたことを、Brainimpactによって異常を抱えた患者さんは、もう一度有意識で認知していかなければいけないのです。

 

 

感覚、知覚、認知過程のどこに照準を絞ってアプローチしていくのか?

 

 

脳卒中リハで患者さんが変化しない、毎日同じようなリハビリ内容になっている、そんな悩みを抱えているセラピストは、一度CCRAを覗いてみてください。

 

きっと脳卒中リハが面白くなると思います。

 

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

常任理事 九州地区責任者 理学療法士

福留 良尚

E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください)

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