肥満は病気発症のトリガーになっていることが多いです。

入院して体重、血糖値えお管理するケースもあります。

 

◇メタボリックシンドローム

突発的な外傷を除くと、リハビリの対象となる患者さんの多くは肥満を伴っていることが多い印象があります。

 

肥満を呈している患者さんは、多くの場合、血管系の疾患リスクを抱えていると言われます。

荷重関節の磨耗にもつながり、痛みや関節の機能制限は運動の意欲を奪います。

 

その結果、肥満が進むという悪循環に陥っている人をたくさん目にしてきました。

 

 

近年では肥満傾向の人をメタボと呼ぶ傾向がありますが、まさに肥満は代謝異常により起こっています。

Jason Fungは、体重増加の原因はインスリンの分泌インスリン抵抗性であり、インスリン分泌を促進する炭水化物の摂取やストレス環境による、と言っています。

 

 

肥満改善のために、食事制限や筋力トレーニングや有酸素運動などが推奨されます。

それぞれ根拠があってのことですが、「どんな人にも共通」の改善策ではなさそうです。

◇肥満の原因 インスリン

肥満の原因と言われるインスリン分泌。

インスリン分泌自体は体にとってマイナスの反応なのでしょうか?

 

そんなことありません。

インスリンの分泌がなければ、効率よく細胞にグルコースを取り混むことは困難になります。

細胞にグルコースが取り込めなければ、エネルギー代謝が滞っていきます。

 

 

インスリンの分泌は必要なのです。

インスリン分泌そのものが問題ではないとしたら???

 

インスリン分泌を要求していることが問題でしょうか?

そうなるとグルコースの存在?

そう考えた結果が糖質制限の考え方のベースにあると思われます。

 

グルコース自体は細胞で手っ取り早くエネルギーに変えるための物質で、なくていいものではありません。

事実、低すぎる血糖値では昏睡状態に陥ります。

それは脳の一部分、赤血球、肝臓などグルコース代謝が中心である器官が存在することが理由と考えられます。

グルコースは必要なのです。

 

 

◇臨床現場での肥満

例えば手術を控えている人の血糖値が高くコントロール不良の場合、原疾患の手術よりも優先して血糖値のコントロールを目指した内科的治療が行われます。

 

高血糖状態は創治癒が遅れたり、感染症の元になったりするからです。

 

このことから考えても、高血糖状態は「代謝異常、免疫異常」と関係していそうです。

 

 

◇肥満に対して筋力トレーニング

肥満の人に対して、「筋肉量を増やして基礎代謝量を高めて脂肪の分解を行おう」、という考え方があります。

トレーニングをして筋肉量を増やす、これは代謝という反応で見たら「同化」という反応です。

トレーニングをすれば「同化ホルモン」が分泌されます。

例えば成長ホルモンがそうです。

 

成長ホルモンの分泌は血糖値を高めるのでインスリンは分泌されることになります。

ちなみにインスリンも同化ホルモンと呼ばれます。

 

さあ、これは適切な改善策でしょうか?

 

私が話したことがある人の中には、トレーニングをしたから「そのぶん食べていい」と勘違いする人も多くいました。。。

 

◇過剰であることが問題

インスリンの分泌も、それを基礎づけるグルコースの存在も、それ自体は必要。

では、なぜそれが肥満につながるか?

リハビリを必要としてしまう疾患につながるか?

 

それはおそらく「量」の問題でしょう。

インスリンはグルコースを取り込むホルモンと同時に「肥満を促すホルモン」。余分なグルコースを肥満細胞にしまいこむ働きがあります。

グルコースの量が多過ぎれば、インスリンの量が増えます。

個人によって代謝が可能なグルコース量が異なることが考えられるため、簡単に食事量が決められません。

その状態を打開しないことには、トレーニングの効果は薄いでしょう。

 

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◇トレーニングより先に生活改善

体重コントロールが必要な人の体重が、トレーニングをしてもなかなか減らないことを経験したことがあるのではないでしょうか?

 

行うとしたら、筋力トレーニングよりも前に「代謝異常」に対しての取り組みが必要でしょう。

ホルモン分泌をコントロールするのは自律神経系ですね。

 

自律神経系コントロールを改善するための指導を優先してみてはどうでしょうか。

・夜は睡眠できているか?

・何時に眠くなって何時に起きるか?

・排便状態は?回数は?色は?硬さは?

・目覚めは?

・体温は?

そういう調査を行い、生活全般のアドバイスをしていかないことには、自律神経系の変化は生まれにくいでしょう。

 

逆にいうと、そういう部分を無視して筋力トレーニングや有酸素運動を行っても、効果は期待できないということです。

 

入院中、あるいはリハビリを受けている間は、変化が起きづらいかもしれません。

それでも、リハビリから離れた時に「自己管理」できるようにサポートすることが重要です。

 

細かい部分を見て、それが全体のシステムの中でどのように機能しているか。

そうやってズームイン、ズームアウトできる視野を持ち、考えられると仕事は楽しくなっていくでしょう。

 

 


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人体の組織のことからその人が暮らす社会のことまで、視野を広げて行動できるようにトレーニングができます。

 


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