第106回「『腰痛診療ガイドライン』日本とアメリカの違い」

From.IAIR 福留良尚

 

 

2012年に発行された「腰痛診療ガイドライン」では、腰痛の8割以上は原因が定かでないことや、急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)は、活動性を維持した方が早く回復するといった、今までになかった知見が話題になりました。

 

多くのセラピストが今そのガイドラインに沿ってリハビリテーションを実施しています。

 

 

そして、2017年2月、アメリカ内科学会(ACPは腰痛症に対する治療法の選択を補助するガイドラインを発表しました。

 

原文>>>https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28192789

 

2つの国の腰痛診療ガイドライン、読み比べてみると、それぞれの医療制度の問題などから腰痛治療に対する考え方の違いが垣間見えてきます。

 

 

先の通り、腰痛症の8割は原因が定かでない非特異的腰痛といわれ、それゆえ治療法が選択し辛い、つまり原因が分からないから具体的な治療が出来ないといった状況にあるといえます。

 

腰痛に対する一般的な治療法は、湿布や痛み止めといった対症療法が主となり、「これを飲めば治る」といった誤解を増やしています。

 

 

ACPのガイドラインと日本との違いは、腰痛を時期に分けている点。

 

日本のガイドラインが、それぞれの治療法(例えば薬、電器治療、マッサージなど)の有効性について書いてあるのに対し、ACPではその時期ごと(急性期、亜急性期、慢性期)に有効な治療法を紹介するという、実践的な内容になっています。

 

つまり、読む側は「一体自分は今どの段階にいるのか?」主体的になって考えなければならないのです。

 

 

ACPが先ず勧告しているのは以下の通りです。

 

“”急性または亜急性の腰痛を有する患者の大半が治療に関係なく時間とともに改善することを考えると、臨床医および患者は、温熱療法、マッサージ、鍼灸、または脊椎マニピュレーションによる非薬理学的治療を選択すべきである。””

 

そのうえで必要な場合には、非ステロイド性抗炎症薬(ロキソニンなどの一般的な消炎鎮痛薬)または骨格筋弛緩薬を使うべきであると述べています。

 

 

一方、私たちが多く対応するであろう慢性的な腰痛に対してはこのように勧告しています。

 

“”運動、リハビリ、鍼治療、マインドフルネス(瞑想)、太極拳、ヨガ、認知行動療法、脊椎マニピュレーションなどを選択するべきである。””

 

 

注目すべきは、痛み止めや筋弛緩薬といった薬に頼らない療法を選択すべきであるという点。

 

日本版『腰痛診療ガイドライン』では、「腰痛に対して薬物療法は有効である」とし、薬の使用を推奨している他、実際の臨床でも「とりあえずの痛み止め」が処方されるケースが多いことが知られています。

 

 

すぐに薬を処方する日本の医療背景には、患者負担が少なく済む国民皆保険制度があります。

 

アメリカでは自由診療が基本であり、医療費の患者負担が非常に重いため、代替療法を活用したりといった主体的な療法選択が推奨されているようです。

 

 

日本の医療情勢は、ご存知の通り社会保障費が膨れ上がり、最近では厚生労働省が高齢者の薬を適正に使用するための検討会を実施しています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku.html?tid=431862

 

 

このような状況で、今私たちが出来ることは?

 

それは今目の前にいる患者さんに、信頼できる情報と適切な治療を提供することです。

 

 

信頼できる情報とは、探さなくては見つかりません。

 

同じような毎日を過ごしていれば、同じような情報にしか巡り合わないのです。

 

 

適切な治療は、学ばなくては身に付きません。

 

学ぶべきものを探さなくては、そこには行きつきません。

 

 

IAIRでは、常にそれらが揃う環境を整えています。

 

 

 

腰痛診療に関してはコチラが確実にお勧めです。

 

 

 

旧来の医療体制から、少しずつ、でも着実に変遷してきています。

 

学びを始めるなら、きっと早い方がいいでしょう。

 

 

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

常任理事 九州地区責任者 理学療法士

福留 良尚

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福留 良尚

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