頸部肩へのアプローチは触診技術で変わる

From.IAIR 福留良尚

 

首肩の痛みに対して、一般的にはマッサージという対処法が取られます。

自分で対処しようと思えば痛み止めを飲むという手もあるでしょう。

 

もちろんリハビリテーションに従事する療法士であればそれだけではないはずです。

  • 頸椎へのモビライゼーション
  • 軟部組織へのリリーステクニック
  • 運動療法

多くの技法を用いて痛み緩和を目指すはずですが...

 

慢性的な首肩の痛みに対してこれらのアプローチでは、すぐに戻ってしまう感じがしませんか?

そんな時、患者さんにどんな言葉を掛けているでしょう?

 

私が言っていたのは…

「年ですからね~」

 

これで誤魔化していました(笑)

 

変わらないことを相手のせいにしていました。

 

これではいけないと感じたけど、じゃあ何を変えればいいのか。

知識、技術、経験、コミュニケーション…

いろんなことが足りないと感じますが、今すぐできることは何でしょう?

 

本日は、慢性化する首肩の痛みに対して、明日から変えられるアプローチについて。

 

頸部肩周囲の筋肉

先ずは頸部肩に付着している筋について。

この時注意したいのは、筋は重なっているということです。

教科書で見ると2次元ですが、実際には厚みや重なりもあり、3次元的に見る視点が必要になってきます。

 

浅層

  • 僧帽筋
  • 肩甲挙筋

 

言わずと知れた、肩こりの原因ともいうべき表層の筋です。

これらの筋は緊張が高まりやすく、外から触れても硬さが分かりやすいです。

 

中間層

  • 頭板状筋
  • 頸板状筋

 

後頭部から頸椎の棘突起に付着している筋です。

一定の姿勢を保つようなお仕事、例えばデスクワーク、車椅子にずっと前屈みに座っている高齢者もこれらの筋が固くなっています。

 

やや深層に位置してきますので、頸椎のアライメントや姿勢によって影響を受けます。

 

深層

  • 大小後頭直筋
  • 上下頭斜筋 など

いわゆる後頭下筋群と言われる、層で見れば一番深い部分に位置する筋です。

これらの筋が硬直すると、深層に存在する神経を絞扼する可能性があります。

 

例えば、大後頭神経や大耳介神経など、これらの筋緊張が高まり絞扼(締め付けられる)されることによって、頭痛や耳の症状が出てくることもあります。

 

 

浅層から深層まで、たくさんの筋が後頭部や肩周辺には付着していますので、それぞれに合わせたアプローチ、特に触診の技術(イメージと触り方)が必要です。

 

更に深層について

これらの筋へのアプローチでも症状が変化しないことがあります。

その時、より深層に存在する“あるもの”を意識して治療すると、全身の変化とともに頚部の症状が軽くなることがあります。

 

それは、後頭部と骨盤、正確には仙骨を繋いでいる管です。

 

硬膜管

硬膜管の存在はご存知でしょうか?

この管の中は脳脊髄液という液体が流れていて、役割としては神経への栄養補給や、老廃物の除去と言われています。

この管は仙骨と後頭骨、第2・3頸椎に付着しています。

つまり、仙骨(骨盤)に問題があると、硬膜管を介して頚部や後頭部に何かしらの影響があるということです。

 

首肩も同様で、骨盤の状態が整うことで、硬膜管の問題や脊柱の問題にも変化が出ることがあり、結果として頚部肩の痛みや筋緊張が変化することが多々あります。

 

全身は繋がっています。

 

筋膜でも繋がっているというは、アナトミートレイン(筋筋膜経線)でも紹介されていますが、硬膜管の存在とそれがどのように影響するかを知っている方は、少ないかもしれません。

 

明日から変えられる頚部肩への治療

このように、頚部肩の症状はその周りの筋や軟部組織からの影響だけでなく、全身からあります。

骨盤から治療する方法については、骨盤セミナーの中でお伝えしていますが、今皆さんがされている骨盤や股関節への治療でも、きっと頸部に与える影響があります。

 

ただ見えていないだけです。

 

その意識を持って治療をするのと、ただ単に骨盤へアプローチをしているのとでは、結果に差が出ます。

先ずはこの知識を持って、骨盤にアプローチして頸部の変化を見て患者さんに聞くのです。

「首とか肩はどうですか?」

この一言を聞いてみることで、変化があるのかないのかが分かりますよね。

変化がもしないのであれば、違う部分へのアプローチが必要だということになります。

 

適切なアプローチを行って変化が出ないのであれば、それは技術の問題ではなくアプローチする箇所の問題なのです。

 

それでは最後まで読んでいただけて感謝です。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 九州地区責任者 理学療法士

福留良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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