先日、一般企業の営業職の方と話をする機会があり、後続の育成に対する違和感が話題となった。以前は所謂「1億稼ぐスーパー営業マン」がもてはやされ、やり方は見て盗め、仕事は現場で試行錯誤して自分で作り上げろ、というやり方だったそうだ。だが、今は「3000万をコンスタントに稼げる普通の営業マンチーム」を生み出そうとしているそうだ。OJTを主とし、3年間はプリセプターについて一から仕事を指導してもらい、4年目から初めて一人立ちする。なるほど、かつて前者のみしかいないなかで叩き上げてきたその方にとって大きな違和感を感じるのは仕方ないところだ。
だが、この話、対岸の火事なのだろうか? リハビリの現場でも同様の事が起きているのではないだろうか?
今回は、時代の変化と共に始まった職員教育、後続育成の変化と今後の指針を考えていく。

 

話が通じない? 後続育成の問題点

「最近の若い奴らは……」毎年、どの年代、どの時代でも、一字一句違わず使われてきたこの言葉。IAIRに参加している面々は若手が多い分、言われる側の立場である事が多いだろう。だが、繰り返すが、この言葉は、どの時代の若者も言われ続けた言葉だ。そして言っている当人も、かつて「話の通じない若造」だった。これはある意味、仕方ない部分なのだ。世代間ギャップ。この一言で表現されるが、その溝はどの世代の間も深くて広い。このギャップが後続育成の大きな問題点……ではない。実はこのギャップが存在する事を見ないフリをしている先輩や管理職の思考停止にこそ問題があるのだ。

 

世代間ギャップは埋められるのか?

この話題になると、世代間ギャップを埋めたいとの話になる。以前筆者が問題解決ワークショップを行った際、参加していた若手達は、ベテラン層の先輩や管理職と共通の話題をどうにか作ろうと必死だった。そこに人気のスマホゲームを持ち出したのは若者らしいといえば若者らしかった。だが、ベテラン層は若手の土俵に降りてくることなかった。自分のテリトリーから動こうとしない傾向が非常に強く、ワークショップで受講者自ら導き出した解決策は不発と失敗になったとの報告であった。
逆にベテラン勢は「仕事あがりに一杯どう?」と酒の席にどうにか若手を誘い、そこで話をしたいというプランを立てていたが、そもそも「酒の席」に固執している時点で、若手との感覚の違いを感じてしまう。いや、双方、感覚の違いと関心の押し付け合いになっていないだろうか?

 

世代間ギャップは埋める必要はない!

改めて問おう。そもそも、なぜ世代間ギャップを埋めたいのだろう。埋める必要はあるのだろうか?そこにお互いの価値観の違い、人生の歴史の違いがあることを再確認するだけでいいはずだ。
体得的にしてきた方法でお互いの領域に踏み込みあう前に、お互いが一個人、別な人間であることを確認し、認め合う。ただそれだけでいいはずだ。
お互いに人として尊重しあっている、という前提を作るための対話こそが先にするべきことであって、一緒にゲームをするであるとか、酒の席を共にすることが先ではない。
ゲームも酒も、お互いの信頼関係がある程度できていることが前提のものであることが抜けていたようだ。

 

前提を作るための対話は何をすれば?

信頼関係という前提を作るための対話を……と言ったが、具体的に何をすればいいのかが分からないという声もあるだろう。だが、思い出して欲しい。ベテラン勢とあなたと若手は、一体何のためにそこに集まってるのだろうか? そう、職場に集まる理由は、その職場が目指す方向に共に協力して進むことにある。組織の理念こそが世代を超えて共通言語たり得る、組織の生命線なのだ。
だが、なぜ医療現場ではこの理念が形骸化するのだろう。理念に沿って今日は仕事が出来たか?ただそれだけを確認し合うだけで、理念の言葉の意味を確認し合うだけで、一貫した組織になるはずなのに、なぜそうならないのか?
そこには、専門職ならではの問題点があったのだ。

 

ゴッドハンド不要。仕組みで良質のリハビリを提供できるチームを作れ!

もうお気づきだろう。冒頭で話した「1億円スーパー営業マン」は転じて「ゴッドハンド」ともてはやされている旧式療法士だ。もちろん、培った技術と経験に価値があるのは言うまでもないが、それを再現できる形で組織で汎化できない時点で、組織の向かいべき方向性と合致しない人材となりうる。ベテラン勢の時代はそれが必要だった。だから個の力を練り上げる事に価値を置いているのだ。
だが若手は膨大な知識と情報にアクセスできる情報化療法士とも言える存在だ。もちろんそれは一側面を切り取っている言い方なのは十分承知だ。だが誤解を恐れず敢えていうなら、若手は効率的かつ合理的なやり方を知っており、結果が分かりきった事を敢えてする意味を考え、価値のない事に時間を使う無駄を嫌うのだ。それは転じて、組織のルールが明確であり、その理由や目的までもが透明である事が、不安定な200点の1人より、安定した80点の3人こそが新時代の組織のあり方につながるのだ。

 

理念に基づく組織作りをするという覚悟

80点と言うと、とても人を馬鹿にしていると感じる方もいるだろう。だが、我々は凡人なのだ。強い個性による弱肉強食の時代は終焉し、普通の人々が統一された理念のもとに一貫した行動をする。そこには適者生存という形で組織にあるからこそ発揮出来る個性として活躍できる。組織は人の集まりではあるが、一つの生き物でもある。生命体としての組織を考えた時、組織がどんな夢をみて、その夢を現実のものとする責任と覚悟を持ち、組織全体に一貫した理念と行動を期待、指令を出す。いち個体として夢が志にかわり、行動を始めた時、その組織内の個人は、共通言語と共通の認識のもと、協働していく。それは相互作用こそすれ、組織を間違った方向に動かすものではない。これは個人の個性を潰すものではない。逆に組織内にあっても、個性を適した形に変化させ、活用できる者が生き残る、実力が試され評価されるチャンスに溢れているのだ。

 

適者生存時代で生き抜く覚悟はできたか?

療法士諸氏よ、適者生存時代で生き抜く覚悟はできただろうか? かく言う筆者を始めこのIAIRに所属する我々も、同時に覚悟を持って進むと宣言する。

我々を見ていてほしい。この新たな時代の新たな働き方のなか、IAIRのスタッフこそがIAIRの謳う「夢の探求・学問の探究」を体現する成果であり、IAIRで共に学ぶ療法士諸氏が手本とすべき存在だ。もし彼らの行動で療法士諸氏が足りないと感じる事があるのなら、それは森本会長、筆者である副会長齋藤を始めとする理事らの責任であり、真摯に受け止め、理念共有の為の対話を続けていくと約束しよう。

 

IAIRは療法士が世の中でもっと活躍している夢をみた。
その実現に向けて、我々は更に邁進していく。

2018年も、あなたと共に夢に向かって歩みを進められることに感謝。
ありがとう。

IAIR副会長齋藤信
IAIR副会長 齋藤 信

夢の探求・学問の探究

既にお気付きと思うが、IAIRはセミナー業者ではない。
技術研修を入り口として、療法士の人生を共に考えていく臨床教育機関だ。
自分自身がどんな人間で、何を持ち、何を提供でき、どんな人の人生に貢献できるのか。
療法士の生きる道を共に考えたいと共感していただけたのなら、学びの場で共有したいことがある。まずは、我々の人となりをみてほしい。

その機会がここにある >>> https://iairjapan.jp/license

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