IAIR(国際統合リハビリテーション協会)
国際事業部より

 

ハロー!
IAIR国際事業部 所属の
吉田頌平です。

私のコラムでは、
「海外のリハビリ事情」をテーマに
海外でも療法士として
活躍したいと思っている方、

海外から来られた患者さんとの対応に
困っている方へ
お届けして参ります。

 

【自己紹介】

初めてお会いする方も
いらっしゃると思いますので
簡単に自己紹介をさせていただきます。

私は2012年に
作業療法士免許を取得し、
同年6月にカナダへ留学いたしました。

2012年11月より、
カナダのクリニックへ
1年間勤務したのちに帰国、

その後は急性期〜生活期の方々を対象に
整形外科の病院・クリニックで
働いております。

現在は、
IAIR関東支部で
インストラクターを務める傍で

国際事業部を担当しており、
IAIRの国際化を推進しています。

 

【本日のテーマは?】

今回も、IAIR国際事業部のツイッターから
ほぼ毎日発信している文献の中でニュース
気になったものをピックアップしていきます。

本日のテーマは、
「タバコ」です。

私は幼少の頃、タバコの灰を誤って食べて
瀕死状態になった経験があるのですが、

そもそもタバコはどのように身体へ作用するのか?

そして、リハビリの臨床現場に
どのようにつながっていくのか?

年々、タバコへの規制が厳しくなっていく背景と合わせて
考察していきます。

 

【ニコチンの作用と代謝過程

タバコに含まれる物質は様々ですが、
ここでは「ニコチン」に注目したいと思います。

ニコチンは、肺胞から吸収されたのち
心臓から体循環したのちに
一部は腎臓で濾過されて尿と一緒に排泄され、

主に肝臓内の細胞質にて
薬物やアルコールを代謝するときにも見られる
酸化反応を起こして代謝されます。1)

つまり、タバコを吸うことで
肝臓へ負荷をかけることにつながる、ということですね。

 

【臨床現場における影響】

さて、臨床現場への影響を考えてみます。

先ほど肝臓へ負荷をかける、と申しましたが
ニコチンの代謝による働きの他に
肝細胞の肥大化と炎症によって、
血中の脂肪分解が進まず、脂肪肝につながることが
示唆されています。

また、ニコチンの摂取により
ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニン分泌を促し、
交感神経系が賦活されるため、

血液の心拍出量が増加しますので
筋骨格系へも影響を及ぼします。3)

一見、好影響に見えますが、
交感神経系が賦活すると
一般に末梢血管への血流は減少します。

では、四肢の筋・関節へ
どのように影響するのでしょうか?

肩の回旋筋腱板の
損傷と喫煙の関係を例にあげた研究では

「平均年齢57歳(18歳~94歳)の
腱板損傷と診断された586名のうち、
584名に喫煙歴が確認され、

・喫煙歴の長期化
・1日に常用するタバコの箱数の増加

が特徴的に見られた」4) と報告されており、

さらに規模を広げて、
屋内禁煙を進めているフィンランドでの
肩と喫煙に関する疫学調査によると、

「1998年から2011年の間で、
フィンランドで回旋筋腱板を傷めた方は、
約3倍に増えていた」5) と報告されています。

(フィンランドでは
1977年から禁煙を掲げていましたが、
路上喫煙はOKなのだそうです。)

ただ、この研究では
肩を傷めた方の喫煙歴まで
検証されていないため、

公衆衛生の視点では
喫煙と腱板損傷が関連しているとは
言い切れないところがあります。

 

【タバコの医療的応用】

タバコに含まれるニコチンは、
実は医療現場でも応用されています。

統合失調症治療薬の一種である
クロザピンという薬の副作用が、
「ニコチン摂取によって軽減された」6)
という報告があり、

統合失調症治療薬を服用される方には
喫煙を認めていいのではないかと
議論されています。7)

また、ニコチンは
ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニン分泌へも作用し
覚醒状態を高める作用が報告されています。3)

そのため、一時的な快楽刺激を得られる効果が期待され、
ホスピスや、緩和ケア病棟では
喫煙を認めることもあるようです。

近年、健康増進法の改正に伴い
この辺りが議論されています。8)

では、電子タバコで代用できないのか?
という意見も出てきそうですが、
電子タバコの人体への影響は
まだ研究中のようです。9)

 

【善悪論で片付けると、人間味がなくなる】

確かに、タバコは害をもたらすものと言えます。

ですが、喫煙に至る経緯や
タバコの神経系への影響を考えると、
一概に悪とは言い切れないと思います。

麻酔にモルヒネという劇薬を用いることがありますが、
麻酔科医による適切な投与があれば
鎮痛を促す薬となります。

喫煙が規制されている中で、
今議論されているのは
「逃げ道があるか?」
という点です。

常に正論でぶつかるだけでは、
なかなか状況は好転しません。

臨床現場で、
患者さんへの生活指導が
なかなか浸透しなくて困った…という場合には、

悪とみなしている出来事に関して、
「なぜ、悪と判断したのか?」
「悪と思う部分はどこなのか?」
ということを見定めた上で

必要な改善点を明示できることが
療法士に求められることの1つではないでしょうか?

つまり、今後療法士に求められるのは
「確かな知識・技術」だけでなく、
患者さんと建設的な話し合いができること
です。

頭でっかちの療法士で終わりたくない方は、
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実は、英語は
「要点をまとめて、簡潔に話すこと」
に特化した言語なので、

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相手を尊重した上で
スピーディーに意見を交換し、
より充実した人間関係を築くための
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常に最新の情報へアップデートし、
現場へ応用していく必要がある療法士にとって、

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今後もセラピストとして活躍したい方にオススメです。

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*参考文献・参考資料

(1)  ニコチンの代謝について:
Neal L. Benowitz et al.Nicotine Chemistry, Metabolism, Kinetics and Biomarkers.Handb Exp Pharmacol. 2009. 192. 29–60.

(2)喫煙が、肥満ラットに及ぼす非アルコール性脂肪肝への影響:
Lorenzo Azzalini et al.Cigarette Smoking Exacerbates Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Obese Rats.American Association for the Study of Liver Diseases.2009.1567-1576.

(3)  日下 朗 他.Bupropion の脳内ドパミン神経伝達に及ぼす影響.慈恵医大誌 2017. 132.13-20.

(4) 喫煙は回旋筋腱板損傷のリスクを高める:
Keith M. Baumgarten et al.Cigarette Smoking Increases the Risk for Rotator Cuff Tears.Clin Orthop Relat Res. 2010.468(6).1534–1541.

(5)  回旋筋腱板縫合の件数増加の要因:
Juha Paloneva et al.Increasing incidence of rotator cuff repairs—A nationwide registry study in Finland.BMC Musculoskelet Disord. 2015.16. 189.

(6) ニコチンの抗精神病薬に及ぼす薬理効果:
Edward D. Levin, Amir H. Rezvani.Nicotinic Interactions with Antipsychotic Drugs, Models of Schizophrenia and Impacts on Cognitive Function.Biochem Pharmacol. 2007.74(8). 1182–119

(7)  山下 美根子, 出口 聡美. 精神疾患をもつ患者の喫煙について ~日本と主要国との比較~.埼玉県立大学紀要. 81.2005.7.81-87.

(8)  日本ホスピス緩和ケア協会.ホスピス・緩和ケア病棟における喫煙対策の現状 と受動喫煙防止対策の強化に関する要望.2016年10月31日.

(9) 若年者〜青年者における電子タバコの初用と紙タバコへの移行の関連:
Samir Soneji et al.Association Between Initial Use of e-Cigarettes and Subsequent Cigarette Smoking Among Adolescents and Young Adults.JAMA Pediatr. 2017. 171(8). 788–797.

 

今後、IAIR国際事業部が発信するコラムでは
海外の療法士や患者さんと
交流できるようになるために

「海外のリハビリ事情」をテーマに
皆様にお届けできればと思います。

リハビリ分野に関わりながら海外へ出てみたい!
と思われている方は、
ぜひ「IAIR国際事業部」をチェックしてください!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

IAIR国際事業部

吉田頌平

 

【P.S.】

【ミニコーナー「本日の英単語」】

旅先でも英語が使えるようになるための
「本日の英単語」コーナー!

今回は、
「カジュアルに注文」をお届けします。

》》https://youtu.be/_bcfKoqZrHk

《予告》
2/17からは、「ハワイで実際に使ってみた編」を
お送りいたしますので、お楽しみに!

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