精神科作業療法士がOT中に思考する3つのポイント【作業療法とIAIR】(03)

精神科作業療法は現状2時間1単位で25人の大集団でリハビリが可能である。だが「パラレルな場」を言い訳にしていないだろうか? たとえ集団であったとしても、各患者さんには個々が持つ生活があり、その生活を形作った物語がある。果たして我々精神科作業療法士は患者さんの人生という物語に関われているのだろうか?

 

◆ 基準や経営側の問題はこの際ほっとけ!

今回の話題をするにあたって、切り離せない現実がある。それは基準と経営だ。だが、それを最初に言ってしまうと、思考停止の理由になりかねない。精神科作業療法士諸君。この際、基準や経営側の要望など、数々の問題……いや課題は一旦棚上げしておこう。目的から考え、その目的に到達する為に乗り越えるべき課題として、後々考えることにしよう。

 

◆ 作業を媒介に患者さんと何を共有するのか?

我々作業療法士は、作業を媒介にしてその方の人生と関わっていく。その方がどんな状況にあったとしても、その方の人生の選択肢が増えるよう提案し、また選択を尊重する。それが作業療法が作業療法の枠にとどまらず、人生のリハビリとなる理由だ。だが、問題となるのは「作業を媒介に、患者さんと何を共有しているのか」だ。
素直になろう。

  • 毎日目的を持って患者さんと関わっているだろうか?
  • その作業の目的は何なのか?
  • その作業の先に患者さんの人生の選択肢にどんな影響を与えるのだろうか?

これらを考えて作業療法しているだろうか?

 

◆ 患者さんの人生の選択肢は作業療法士の経験値で増減する!

目的を持って毎日作業療法をしているだろうから、先に進もう。患者さんの選択を支援する、その為の作業療法だが、そもそも選択肢を提案するには、作業療法士の経験に依存することはなんとなく気づいているのではないだろうか? 身近な目的であれ、壮大な目的であれ、その目的にたどり着く為に、小さな目標をいくつも達成し続け、気づいたら到着していた……を演出したいところだ。
その為には、作業療法士自身の経験や体験を増やすことだ。
ここでのポイントは、個人的原因帰属している必要はないということ。もちろんOT自身が「できる」、「得意」と思っている事を中心に組み立ててもいいが、それだけでは足りなくなる。そんな時は周囲のメンバーの協力を仰ぐことになるが「助けて」の一言をいうにも、自身で一度でも体験、経験しておいた方がスムーズに進む。これは患者さんの問題ではなく、作業療法士の意思の問題だ。患者さんの前に、あなた自身が一歩踏み出す勇気が必要ということだ。初めて行動するよりも二回目の方が楽に一歩踏み出せる。あなたができれば、患者さんにも自信を持って言えるだろう。

 

◆ 経験を作業療法に落とし込む!

選択を提案……とは言ったものの、そこには大きな壁が残っている。患者さん自身が選択し行動する。こればかりは本人次第になる。当然、僕らは操作しない。ただ、説得はしよう。
だが、説教じみた話……そう、このコラムみたいな……はいただけない。イメージもしづらいし、イマジネーションと行動を連動させるのも一苦労だ。であれば、イメージしやすく、想像力をかきたて前向きに行動したくなるように伝え方を変えればいい。
ナラティブという言葉があるのはご存知だろうか。根拠に基づいた医療=EBM(Evidence Based Medicine)に対して物語りに基づいた医療=NBM(Narrative Based Medicine)として、客観的なデータとその人の数値化できない人生のギャップを埋める為の考え方だ。
僕ら作業療法士も、口では数値化できない部分が大切……と言いつつもそれを実践できていない。
特に精神科の現場でこそ物語りで病気になった背景や、至った経緯をを把握し、相手を真に理解することが重要になってくる。
先に話題にしたように、患者の層が変化している今だからこそ、物語れる力が精神科作業療法士に求められるのだ。

 

◆ すまない。解決策はまだない!だが……

ここまであれが必要、こうあるべき……と言っておきながら、今回明確な解決策を提示できない。本当に申し訳ない。ただ、目的を共有するにも、あなたの経験を増やすにも、作業療法に落とし込むにも「物語れる力」が鍵になる。
ここにあって、初めて筆者の個人的原因帰属できるあるものが思い当たった。「物語を創る方法論」だ。

  • ご存知だろうか? ハリウッドの映画は10パターンの構成でほぼ全て解説できてしまうことを。
  • ご存知だろうか? 男性と女性では物語りの核になるテーマが異なるということを。
  • ご存知だろうか? あなたでも物語れる力を持っているということを。

ここでは紙面が足りないので、直接会った際にでもお話しできればと思う。
だが、これを知るだけで、あなたの「物語り力」を飛躍的に上げることができると約束する。
近く、機会を作るとしよう。

 

◆ 本日のまとめ

色々とお話しましたが、まとめると……

  • 目的の共有から始める!
  • 選択肢を提案できる経験を増やそう!
  • 物語り力を手にいれよう!

僕ら作業療法士が関わるのは人の人生です。人生においてより良い選択をしてもらう為にも、身障系、精神科系などの分野にこだわらず、患者さんと関わっていきましょう!

IAIR副会長齋藤信
IAIR副会長 作業療法士 齋藤 信

◆まずはあなたがやってみる!

ある人がこんな事を言っていました。
「ピンチの時ほど苦手な事に目を向けよ」
苦手……つまりあなたがこれまで目を背けていたことです。今回お伝えしたように、何事もまずやってみることで、解決の一歩が踏み出せるかもしれません。
そんなあなたにお勧めしたい講義があります。13年間身体アプローチをちゃんと学ばずにきた精神科作業療法士だった僕自身の人生が変わった講義です。
作業療法にどっぷり浸かりすぎて見えない事から脱出できるきっかけになりますよ。
詳細はコチラ >>> https://iairjapan.jp/experience

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