脳卒中リハビリにおける支持基底面の重要性

脳卒中リハビリテーションにおいて、支持基底面の状態はバランスや動作の効率にかなり影響します。

支持基底面の“状態”と表現するのは後述する理由があるのですが、それよりも「支持基底面という言葉は知っているけど、実はそれがどのようにADLや動作に影響するのか良く分からない」というセラピストが多いかもしれません。

脳卒中リハビリテーションにおいて支持基底面は何故重要なのでしょうか?

 

支持基底面について

そもそも支持基底面とは?

支持基底面は、身体の重みを受ける面のことを指します。

座位であれば殿部、立位であれば足底、歩行器を扱っていればその支持している点を結んだ面全てが支持基底面です。

 

しかし、身体の重みを受けるだけが支持基底面ではありません。

  • 相手から触れられて押されている時
  • 壁に寄りかかって手を掛けている時
  • 座って肘をついている時

それら圧を感じている面・点は全て、支持基底面(点)と言えます。

 

その圧の変化や面積に変化が生じるということは、姿勢の変化や運動が行こっているということを意味します。

例えば、他人に横から押されて姿勢が崩れそうになっている場面を想定しましょう。

 

押されたことでバランスを崩し、そして立ち直ろうと反応をしているように見えます。

しかし実際は、ふらつく前の相手に押されている段階からその圧をモニターし、どのくらい踏ん張れば今の姿勢が保てるかを脳は検証し、運動指令を出し続けています。

 

だから多少押されたくらいではふらつかず、その姿勢を維持することも可能なんです。

この圧の程度をモニターするという知覚過程は、支持基底面の非神経的状態が良好であることが重要です。

 

つまり...

  • 皮膚
  • 関節の状態
  • 浮腫
  • 痛み
  • 循環障害の有無 他

これらが適正に保たれていることによって圧をモニターすることが可能となり、結果姿勢制御、運動制御のための神経伝達が可能になるのです。

 

支持基底面を脳卒中リハビリに活かすには?

支持基底面の非神経的状態が大切なことは分かりました。

そのためのアプローチは、多種多様ありますのでそれぞれ組み合わせることをお勧めします。

脳卒中における姿勢制御との関連性は以下にてお伝えしています。>>>https://ccrajapan.jp/seminor/basic/

 

 

支持基底面の変化による身体反応の違い

支持基底面は、その面積を変えることによって身体の反応も変化します。

 

支持基底面を狭くすると

  • 感受性向上
  • 意識レベル向上
  • 姿勢筋緊張が高くなる

 

反対に広くすると

  • 感受性低下
  • 意識レベル低下
  • 姿勢筋緊張の低下

 

例えば、脳梗塞の急性期、循環動態が安定したかなり低緊張の患者さんがいたとします。

出来るだけ姿勢筋緊張を高めていきたい場面ですが、ずっと臥位(支持基底面が広い)でリハビリを続けるのは理に適っていません。

 

反対に、回復期、立位の場面で麻痺側の異常筋緊張がどうしても出現してしまう患者さんに、「力を抜いてください」と声を掛けるのはどうでしょう?

片麻痺の患者さんは、姿勢制御機能に障害を抱えていますので、支持基底面が狭い立位などでは、より筋緊張を高めて姿勢制御を代償しようと無意識に行ってしまいます。

治療場面を座位や臥位に切り替えて、筋緊張が高まらない場面での課題に取り組むことが必要となります。

 

脳卒中の治療では、患者さんに必要な反応促通のために、適切な姿勢と支持基底面を設定することが大切です。異常筋緊張が出続けているにもかかわらず「体力をつけるため!」と歩行訓練を強いるのは、目隠しをして横断歩道を歩けと後ろからつついているようなものです。

 

より効率的な動作の獲得を、我々セラピストは導いていかなければならないはずです。

CCRA【脳卒中包括的リハビリテーションアプローチ】では、脳卒中リハビリの基礎的な内容から学ぶことができます。

 

それでは最後まで読んでいただけてありがとうございます。

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一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

理事 理学療法士 福留良尚

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福留 良尚

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国際統合リハビリテーション協会常任理事 IAIR九州専任講師 理学療法士 コンディショニングサロン仁愛クリニカルルーム代表 3児の父 
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