生体リズムと病気との関係をリハビリの生活指導に活かす秘訣

生体リズムの変化

測る時間によって血圧の数値が違った経験はありませんか?

高血圧な人は何時ころに運動するとリスクが高いでしょう?

あるいはリスクを低くできるでしょう?

 

血圧だけでなく体温が上がったり下がったり、血圧が上がったり下がったり、空腹を感じたり満腹を感じたり、そういったものはホルモンの分泌で調整されています。

その結果が変動するというのは、1日の中、時間によってホルモンの分泌が変わるからと考えます。

そういう日内変動と睡眠は深く関係します。睡眠不足についての記事も参考にされてください。

(参考:睡眠不足の症状と影響は?リハビリ視点で考える

 

日内変動

私たちの体はいつも一定のリズムを刻んでいるわけではありません。

状況(環境)により、行動により、常に変化をしています。

こういった生体内の日内変動、リズムのことをサーカディアンリズムと呼びます。

 

サーカディアンリズム

(引用:https://www.weforum.org/agenda/2017/09/this-is-what-your-working-hours-are-doing-to-your-health?utm_content=buffer4835b&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

 

例えば、私たちの体温は午前4:30頃にもっとも低くなります。

視床下部から放出されるホルモンの働きによるものです。

 

現に、私は4:30〜5:00 頃になると「寒くて」目が覚めます。

その時間に気温(室温)が一気に下がったわけではないので、外部環境の影響ではありません。

私の体内のことによる影響です。

 

そのくらいの時間で体温が下がってしまうので、「寒い」と感じるのでしょう。

それが覚醒につながります。

冬の季節であれば、外はまだ暗いです。

だから、明るくなったから目がさめるというのとは違いそうです。

 

私の体内のリズムによって起こった現象な訳です。

 

そして、その早朝はある病気の発症率が高いとされます。

時間(生体リズム)と病気との関係

それは心筋梗塞や脳梗塞などの虚血性疾患です。

早朝は活動開始の準備をするため、自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わります。

副腎皮質ホルモンの分泌により血管は収縮しやすくなります。

 

ところが、活動の準備のため脳では栄養(血液)を要求します。

その結果、需要と供給のバランスは崩れてしまうのです。

 

そして血管内にプラークがある状態ですと、その血管の攣縮+血流増加によってプラークが剥がれ落ち血栓となって血管を塞ぐことになってしまいます。

早朝に心筋梗塞や脳梗塞が多いのはそのためだと考えられます。

 

 

冬はさらに外気温が下がるため、血管は収縮しやすくなっています。

冬の早朝はリスクが高まるタイムゾーンであると考えると良いでしょう。

 

生体リズム調整の主役

こういったリズムは体内時計と呼ばれる働きで管理されています。

その中心を担うのはメラトニンというホルモンです。

 

メラトニンは暗くなると松果体から分泌され、眠りを誘発します。

メラトニンは睡眠をコントロールするのに不可欠な存在なのです。

 

 

夜間のメラトニン分泌量と様々な病気との関連が指摘されています。

例えば、がん、糖尿病といった生活習慣病。

さらに肥満、うつ、骨粗しょう症など。

 

先ほど例にあげた病気は、メラトニン分泌量が少ないと発症リスクが高まります。

つまり、眠れない、あるいは眠る時間が短いと病気になる可能性が高いというわけです。

 

現代は生体リズム調整が難しい

健全に働いていれば、夜には眠くなるもの。

それは辺りが暗くなるから、というのが近代以前の生活でした。

 

今は、夜でもスイッチ一つで明るい。

スマホ、テレビ、パソコンなど、目を刺激する光を放つ道具で周りが溢れている。

眠れない理由を探すのはとても簡単な状況です。

 

だから、メラトニンの分泌を促して眠りを誘発したいときは、夕方くらいから少しずつ灯りを落とし、薄暗い環境で過ごすことが求められます。

例えば、LEDライトでとっても明るいリビングから、真っ暗な寝室にいきなり移動したとしても、眠気はやってきません。

リビングにいる時から灯りを徐々に落としていって、「そろそろ眠いかも・・・」という段階でくらい寝室に移るという作戦が推奨されます。

 

私も入院中に経験がありますが、「消灯時間です」ということからいきなり電気を暗くしても眠くはならないんですよね。

もちろん寝てしまう人もいるのですが・・・

 

病院や介護施設で部屋の電気照明は消しても、個々のベッドのライトをつけていては意味がありません。

かといって、真っ暗な状態にするのは転倒のリスクを考慮すると踏み切れません。

そうはいっても、高齢者はメラトニンの分泌量が落ちてくるので、なかなか眠れません。

 

睡眠への対策

そういうこともあって環境の力を借ります。

よく言われる対策は

  1. 朝日を浴びること
  2. 夜のはじめのメラトニン
  3. 決まった時間の朝食

の3つです。

 

夜中、明るい電気の下で活動するのは体内時計を狂わす原因となりやすいです。

 

先ほどの3つの対策はどれも、体内時計の調整に働きかけます。

病気を防ぐためにも、病気の進行を妨げるためにも、病気からの回復のためにも、睡眠の調整には気を配ってみてください。

リハビリ担当者ができること

睡眠も含めた「体の反応」を理解することで、リハビリの質は変わってきます。

学生時代に学んできているはずですが、臨床と結びつかないと忘れてしまいますね。

 

基礎知識と臨床をつなげるための講義はこちら

 

Cranial TGA1−3

 

生化学に基づくTGA

 

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