問診を行い、初期評価を行って、クライアントの現状がつかめてきたら、いよいよゴール設定です。

私は理学療法士なので、理学療法士がやりがちなゴール設定の話をします。

 

◇ゴールは自立?介助?

・トイレ動作自立

・歩行介助

・独歩

 

移動能力に関して、これらの達成目標をあげる場面が多いですね。

 

それぞれの定義を整理すると、なんだか矛盾を感じることがあります。

 

◇動作に介助を要する

「介助」とは、誰かの助けを借りながらであれば動作が行える状態、とします。

 

それくらい何かの機能制限があったり、環境による制限のために助けが必要だったりする状況が目標になる訳です。

シビアな状況です。

 

「誰かの助け」を必要とする状況だと自宅での生活は難しさが増します。

 

「誰かの助けなしには生活できないレベルが目標」という判断をすることは、療法士にとって簡単ではないです。

だけど、「機能制限がある」「家屋環境が複雑」であると「介助での動作遂行」を目標にせざるを得ない。

 

しかし、現実には「一人でできる」ことを本人、家族は強く望みます。

 

 

◇独歩ってなんだ?

「独歩」

私はこの言葉の使用に関して、何度ももめました。

カンファレンスで、計画書の作成で、後輩からの相談で・・・

 

独歩って、

「独りで歩く」

ことができるという意味だと思っていました。

 

 

ところが、カンファレンスに出席した時に

*独歩自立

とかいう目標を見せられて、めまいがしそうになった記憶があります。

 

 

相手は冗談を言っている訳ではなく大真面目に話しています。

相手は「道具を使わないで独りで歩く状態」を独歩と表現していました。

最初は驚き、次に怒り、最後には呆れました。

 

 

使う言葉というのは、その正当性ではなく、集団が使いやすいかどうかで決定されるのだ、ということを思い知らされた瞬間でした。

 

 

「一人で歩くことが自分でできるようになる」という表現に違和感を感じませんか?

私の方が間違っているのでしょう、おそらく。

 

 

独りで歩けるなら、なんの道具を使ってもいい

これなら筋は通ります。

 

 

そういう意味では「歩行器を使って独りで移動できる人」は「独歩」な訳ですよ。

ところが、そういう時は「歩行器歩行自立」と表現する。

 

独歩ってなんだ?

その答えが「道具を使わないこと」らしいのです。

 

5〜6年くらい前の話なので、今は違うと思いますが、とにかく驚き、いちいち訂正していた記憶があります。

 

最終的には、統一した書類作成のため、表現も統一化へ向かい、私の思いはどこかへ葬られてしまいました。

 

 

◇自立

一番語りたいのが、この「自立」ってやつです。

 

自立の意味を皆さんはどうお考えですか?

ある場所でPTOTSTを対象に聞いてみたら、誰も答えてくれませんでした。

(これは自立の意味がわからないのではなく、私のことが嫌だったのだと思います。わからないはずがないので)

 

ある方が答えてくれたのは

「選択できること」

という答えでした。

 

 

おそらく多くのリハビリ現場ではそのように取り扱われてはいないでしょうし、私の解釈は違います。

 

 

リハビリ現場では「自立」は「独りで、自分でできる」状態を指しています。

 

 

私の解釈では、自立とは「頼れるものがたくさんある」状態を指します。

例えば、歩行という動作でみた時に

・何も使わず手ぶらで歩く

・杖をついて歩く

・歩行器を使って歩く

・誰かの肩を借りて歩く

・誰かに手を引いてもらって歩く

・何かを伝って歩く

というように、頼れるものがたくさんあることを自立した状態と言います。

 

そうなると、先ほどの「介助」の定義と食い違いが生まれちゃいますね。。。

 

 

私が言っているのは「自立した人間」のことであり、「動作の状態」ではないのです。

 

 

動作を例に挙げると、

歩行器を使えば一人歩けるが、他の道具では歩けない

というのは「歩行器歩行自立」なのですが、歩行器に依存しています。

依存した状態が強ければ強いほど、在宅生活は困難になります。

 

動作を遂行するための多様性が作れるかどうかも、リハビリに求められるところですね。

 

 

「なんでも独りでできる、独りでやる」のは、誰も頼れないという意味で「自立」ではない。

独りでやろうとすることは「自分自身に依存」していると言えます。

「自分でできるから」といって、頑なにサービスを拒むことも「自分に依存している」といえますね。

 

◇自立と依存

動作としての自立と、人間としての自立を分けて考えてみました。

 

リハビリのゴールにとって究極的には「医療や介護からの自立」が目標になると思うんです。

・ナントカ病院じゃないと治らない

・ナントカ先生のリハビリじゃないとよくならない

・ナントカ法じゃないと回復しない

・ナントカサービスを使わないと生活できない

これらは全て、ナントカの部分に依存しています。

 

 

一つの何かに依存するのではなく、頼ることができる場所、モノ、ヒトを多く持つことが自立という状態です。

リハビリテーションがもしも「人としての自立」を目指すのであれば、少なくとも「リハビリテーションに依存」することがないように介入していかないとですね。

 

 

例えば、徒手的な介入は依存を生みやすい、という話を耳にしたことがあります。

これは、徒手的な介入による効果や感触に対してクライアントが依存してしまうというより「施術者が徒手的介入」に依存しているからではないか?と思います。

 

 

徒手介入が必要ないのではなく、徒手介入の受け止め方、使い方を間違えてはならないという話です。

徒手技術に依存するヒト多いですからね。。。

 

正しい使い方はこちらをどうぞ

 

依存しない徒手介入方法はこちらをお勧めします。

https://iairjapan.jp/events/category/exp

お近くの会場をお探しください。

 

 

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